しめ縄は、神域と現世の二つの世界を隔てる端境、結界の役割を持ち、周囲の穢れや厄を祓い清め、禍の侵入を防ぐと言う意味があり、また、依り代として神がここに宿る印ともされます。
材料は刈り取って干した稲藁で、縄を糸の象形に綯い(編み)、邪気を払い神域を示す紙垂のほか、橙やウラジロなど縁起が良いとされる飾り物を付けてしめ(縄)飾りとして仕上げます。
大門地区でのしめ縄づくりは、今から130年ほど前、明治20年代に、伊勢神宮周辺のしめ縄づくりの技術を持ち帰ったのがその始まりと言われ、鮮やかな青味がその特徴です。しめ縄作りは、4月に東海千本・古代米という専用品種の籾蒔きから始まり、7月頃にはその稲を青田刈りします。
昔は刈った稲を矢作川の砂洲に天日干しすることで、鮮やかな青味を持った藁に干し上がるように乾燥させており、この砂洲の近くに位置する大門地区がしめ縄の生産地として発展しました。手づくり、本物志向が注目され、県下一の産地を形成しています。